2025年の参議院選挙における、新興勢力の「再生の道」や「チームみらい」の選挙の現場を見て感じたことを綴ります。
彼らに共通するのは、とにかく超がつくほど候補者が優秀ということ。
社会で成果を出し、出世街道を歩み、年収も高く、履歴書に一切の隙がない。
議会や国政に参画してくれれば、さぞありがたい存在であることは間違いない。
心から強くそう思います。
しかし。
石丸伸二さんや安野貴博さんなど、代表格の方々を除いて、ほぼすべての候補者が、選挙の現場においては圧倒的な素人。
他の選挙を見に行ったり、手伝ったりした経験がなかったり、あまりに少ないのだと推察します。
① 演説とスピーチ(プレゼン)の違い。
プレゼンと選挙演説は大きく違う。
語り手の話を姿勢正しく聞いてくれる方々ばかりの前で、大型スクリーンにスライドを投影できるような、ビジネスのプレゼンの環境とはまるで違う。
通行人の足を止めるには、長く難しい話ではなく、短く、わかりやすく、心に届く言葉。
政治家がその場その場で、その地域の思い出を演説内容に組み込むのはまさにそのため。
そして、目を合わせ、手を振り、笑顔で反応する。
たったそれだけで立ち止まってくれる人がいる。
それをせず、淡々と難解な話を早口で垂れ流すスピーチのような演説は、聞こうとしていない人には届かない。
② ビラ配りスタッフさんのマネジメント。
無作為に立ってもらうだけでは意味がない。
通行人の流れ(動線)を計算し、最適な位置に立ってもらう。
ビラを渡すときも、相手の動きに合わせた所作が必要。
たとえば、右から来る人には左手で、左から来る人には右手で渡す。
進行方向に対して腕の可動域が確保されるため、歩行者に対して長時間ビラを渡す姿勢を維持できるからです。
1人ひとりの歩行者の目を見て、「あなたに渡すんだ」という想いで、声と表情を届ける。
それだけで受け取ってもらえる確率は大きく変わる。
この2陣営においては、動線に対して重複した場所に人が立つなど、もったいない場面が見られました。
③ 候補者本人の姿勢。
応援弁士が熱く語っている間、笑顔もなければ、手も振らず、ただ立っているだけ。
10分間も時間があれば、すでに待ってくれている人に、候補者本人が握手に回り、チラシを配ることもできる。
今回に至っては、候補者本人にとってせっかくの地元・福山市なのに、あまりに勿体なさすぎるだろう(笑)
福山市に関する話も2、3行程度で終わり、そのあとは終始、日本の教育の問題と提言に関するスピーチ。
これはとても衝撃であり、正直ショックでした。
選挙は「選挙期間前から当落は決まっている」とよく言われます。
確かにそう。
そのために、私も6年6ヶ月かけて準備してきました。
しかし、SNSの浸透によって、多様な情報が届くようになり、候補者自身からも直接届けられる時代になった。
そして、高齢化や思想の多様化により、組織票も少しずつ希薄化しつつある(福山市においてはまだ猛烈に強いですが笑)。
だからこそ、選挙期間中のパフォーマンスも本当に大事。
圧倒的に優秀な方々であれば、選挙というゲームについて、本番前に徹底的にリサーチをし、シミュレーションをし、鍛錬をしておくことは至極当然のことだと思う。
残り1週間。
両陣営をはじめ、政治の世界に新たに飛び込む方々が、ここからどこまでアップデートし、古い政治の世界に風穴をあけてくれるか、心から期待しています。
と、大変生意気なことを言いましたが、私もまだまだ選挙や演説は修行の身。
毎月のように現場を見て、時には参画させていただきながら、3年後に向けて研鑽していきます。
本日も岡山選挙区の国政選挙の現場へ視察に行き、勉強してまいります(`v´)ゞ
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