昨日1月21日(火)は、広島青年会議所の昨年の理事長である森信さんからお誘いをいただき、岡山市で開催された「アトツギ甲子園」予選の中四国大会を観覧してまいりました。
この大会は、39歳以下の中小企業・小規模事業者の後継者を対象としたもので、応募条件として「社内リソースを活かしたチャレンジ」や「自身のストーリー性」が求められます。
15名の参加者が4分間のプレゼンを行い、その後6分間の審査員による質疑応答に対応する形式で進行されました。
審査基準は、新規性、持続可能性、社会性、継承予定の経営資源の活用、そして熱意やストーリー性の5項目に基づいて評価されます。
プレゼンターの1人には、今年度の広島青年会議所理事長の林秀樹さんも!
アトツギならではのチャレンジは、創業者としてのチャレンジとは異なるユニークな側面を持っています。
以下、その特徴について感じたことを整理しました。
①既存事業との関係性
後継者のチャレンジは、既存事業との相乗効果が鍵を握ります。
•既存事業が軌道に乗っているのか、今後の成長性が見込めるのか?
•現時点での市場シェアや影響力はどの程度か?
•さらに、その事業と新規事業の間にシナジーがあるかどうかも重要な判断材料となります。
既存事業の土台がしっかりしていれば、後継者としての取り組みがより力強いものとなる一方で、事業が安定している場合、新規事業への挑戦が慎重になりがちな点も興味深いと感じました。
②経営者(親や親族)との関係性
現経営者との関係性も、後継者の挑戦に大きく影響します。
•現経営者が新規事業にどれだけ興味を持ち、優先順位を付けているのか?
•また、親子関係や信頼関係がどれほど強固か?
•さらには、後継者自身の能力や実績に対する現経営者の評価も重要です。
こうした要素が新規事業の立ち上げを後押しする場合もあれば、足枷になることもあり得ます。
③本人の意欲と新規事業への挑戦姿勢
既存事業が順調であれば、あえて新規事業にリソースを割くことはコストパフォーマンスが悪いと考えられがちです。
それでもなお、新規事業を通じて可能性を見出したいという強い意欲や、CSR(企業の社会的責任)の観点から社内での挑戦機運を高めたり、解決したい社会課題のために取り組むケースもあります。
•後継者が新規事業にどれだけ情熱を持ち、リスクを取る覚悟があるか?
•単なる社内的な義務感ではなく、本人の内発的な意欲がどの程度反映されているか?
創業者の場合、やるしかないという覚悟が常に伴いますが、後継者は既存事業とのバランスを取る必要があるため、その意欲や動機がチャレンジの成否に大きく関わると感じました。
とは言え、経営者としての経験を持つ親や身内、市場に認められた技術や能力のある社員の存在(これはめちゃくちゃ大きい)、そして資金や場所というリソースを持っている環境は、創業の立場より圧倒的優位であり、アトツギのチャレンジを中小企業庁が支援することに関しては理にかなっていると言えます。
アトツギ甲子園では、こうした後継者特有の課題や葛藤を乗り越えたチャレンジが多く見られ、そのストーリーに感動するとともに、今後の中小企業の可能性を大いに感じる機会となりました。
次世代を担う後継者たちの挑戦が、地域経済の活性化や持続可能な成長にどのように貢献していくのか、大いに期待しています!