物価高対策として「2年間限定で食料品の消費税を0%」を検討する動きがありそうですね。
家計支援として分かりやすく、一見お財布に優しそうな政策ですが、制度設計の観点からは慎重に考える必要があると感じています。
というより私は否定的です。
理由としては以下の4点。
① レジ・会計システムの手間とコスト
軽減税率だけでも運用は複雑です。
ここに「期間限定の0%」が加われば、レジ改修や価格表示の変更、経理処理の見直しなど追加負担が発生します。
特に中小の小売店にはかなり大きなコストと手間になります。
② 外食産業への影響
食料品のみ0%になれば、スーパーや持ち帰りとの価格に対して、店内飲食は相対的に割高となり、客足が流れる可能性があります。
ハンバーガーセットが店内では1000円、持ち帰りだと909円ですね。
敢えて4桁と3桁で表現していますが、実際かなり大きいですよね。
持ち帰りの方が約9%も安ければ持ち帰りを選ぶ人はそれなりに増え、外の公園やオフィスに帰って食べる人も増えるでしょう。
プラスチックゴミも増えることになりますし、これは飲食店にとってコストでもあります。
雇用の大きな受け皿である外食産業への影響は大きいです。
そもそも、持ち帰りが軽減税率適応である理由が私は今でもわかっていません(笑)
③ 財源と将来負担
消費税は社会保障の基幹財源です。
食料品分を0%にすれば税収は大きく減少し、年間に4兆8000億円程度の減税の試算とのこと。
国債や他税で補えば、結局どこかで負担増になります。
一時的な減税でも、将来的な調整は避けられません。
④ 下げ幅は限定的、戻るときはそれより大きい
理論上は8%下がる計算でも、実際の価格はコスト上昇分が織り込まれており、私の肌感覚として、元の税込価格からの値下げ幅は8%ではなく5%程度にとどまるんじゃないかと。
というのも、現在多くの企業ができる限り価格を値上げしたい思いを持っているわけで。
加えて、2年後に税率を戻す際は一気に上がる。
私の肌感覚として6%〜7%くらい上がるのではないかなと。
つまり、下げ幅は5%程度と小さく、戻る際は6%〜7%の税込価格への値上げと、2年後の価格変動の方が大きい。
これは家計や事業者に対して、2年後に大きな負担を課すことになると思います。
物価対策は確かに必要です。
しかし、消費税の見直しのように制度全体を大きく動かす前に、社会保険料の軽減や税額控除の拡充など、より的を絞った支援策を優先して検討すべきではないでしょうか。


