2025年6月26日(木)に、北九州市の「スタートアップ推進課」と「Z世代課」を視察させていただきました。
北九州市は、主要産業が重工業であることに加え、県内第二の人口規模である都市であり、広島県における福山市と状況が似ています。
武内市長のもと、スタートアップ企業の出現数が近年注目されていたことや、「Z世代課」という非常にキャッチーでチャレンジングな取り組みを行っていることから、視察先としてふさわしいと考えました。
また、私自身、大学時代の4年間を北九州で過ごしており、いわば「第二の地元」。
そうした思いも重なり、北九州市の二つの課への視察を所属会派である誠友会(7名)の皆様に提案し、採用していただきました。
加えて、翌日の視察先である長崎スタジアムシティも私の提案によるものであり、新人で若手の私にも存分に耳を傾けてくれる本当に優しい会派です笑
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【スタートアップ推進課:稼げるまち】
北九州市が掲げる「稼げるまち」というビジョン。
その中核を担うスタートアップ推進課を訪問しました。
特に印象的だったのは、スタートアップを単なる「起業の支援」にとどめず、地域経済のエンジンとして位置づけていたことです。
企業誘致は全国各地で取り組まれており、その難易度は年々高まっています。
であればこそ、地元から起業を生み出し、育て、さらには地元の既存企業や市の課題解決に貢献してもらおうという姿勢。私は、そのように受け取りました。
重点分野は「ものづくり」「グリーン」「ソーシャル」「AI」
民間・行政・大学・金融機関が一体となり、創業初期から自立・成長までを支える多角的な支援メニューが展開されていました。
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中でも、「行政課題の解決」や「既存企業との協業」を促す場に、行政職員自らが伴走し、繋ぎ役を果たしている点は本当に素晴らしいことですよね。
また、北九州市の強みは「大学の数と理系人材の厚み」です。
市内には大学が10校、キャンパスが13か所。
九州工業大学、西日本工業大学、北九州市立大学など、理系に強い大学が揃い、地域の産業を支える基盤となっています。
日本製鐵、安川電機、TOTO、ゼンリンなど、ものづくり系企業も多く、理系人材の活躍の場がしっかりと存在しています。
(とはいえ、企業と大学の連携にはまだ課題もあるとのことでしたが)
一方福山市においては、2027年度に福山市立大学に理工学部を定員80名で新設する予定です。
ここで重要なのは、「学ぶこと」と「その学びを実社会で活かすこと」がきちんと繋がる場にしていくこと。
学業と実社会の乖離が続けば、大学はただの「就職予備校」で終わってしまう。
これは日本全体が抱える本当に根深い課題だと思っています。
加えて、公立大学の大きなボトルネックとして、教職員の待遇を民間のように柔軟に高めることが難しいという制約があります。
であればこそ、「大学講師の肩書き」というインセンティブを用意し、地域の社長経験者やエース社員の方に“先生役”として関わっていただくスキームづくりをイメージしています。
学生さんにとっても、生きた知識や経験に触れることは、大きな価値のある学びとなるはず。
企業の皆さん、学生の皆さんのニーズを聞きながら、迅速に制度設計を考えていくべきテーマだと感じました。
その先に、育てた人材が地元に残り、地域で挑戦し、産業とまちをつくっていくのだと思います。
今後、こうした観点から福山市の大学政策にも積極的に提言してまいります。
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【Z世代課:「日本一若者を応援するまち」という力強くわかりやすいメッセージ】
なんと課の平均年齢は28.3歳。
市役所の各部署から選ばれた若手職員が主担当4名、兼務12名の合計16名が集まり立ち上がった「Z世代課」。
その名のとおり、「若者の声を市政に届ける」ことに特化した組織でした。
特に印象的だったのは、Z世代課が「若者のニーズを代弁する部署」ではなく、若者自身がやりたいことを自ら発信し、それを行政が受け止め、伴走していくスタイルであるという点。
市民である若者が自ら企画を立ち上げ、職員と共に事業化を目指すプロセスは、既にいくつかの成果にもつながっているそうです。
若者を「支援の対象」として捉えるのではなく、「まちを共に担う主体」として接する姿勢には、とても共感を覚えました。
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もう一つ興味深かったのは、約5,000万円の年間予算規模にもかかわらず、明確なKPI(数値目標)をあえて設けていなかった点です。
(質疑の際に職員さんからそのような回答をいただきました。もし実際にはKPIが存在していた場合はごめんなさい)
担当職員の方からは「まずは若者の熱を形にしたい」という趣旨の説明があり、議員からの理解を得ることには大変苦労されたとのこと。
その気持ちは非常によく分かります。
もし私が北九州市議会議員だったら、200%質問していたと思いますから。笑
こうした姿勢からも、「若者を支援する」のではなく、「若者と一緒にまちをつくる」ことに北九州市が本気で挑んでいる様子が伝わってきます。
福山においても、若い皆さんが自らの想いを実現できる場、失敗を恐れず挑戦できる環境をどうつくっていくか。
Z世代課の取り組みを通じて、そんな視点を改めて深く考えるきっかけになりました。
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北九州市役所の皆様、取り組みを共有していただき本当にありがとうございました!
PS:北九州市議会議員 山田 大輔
小倉駅への出迎え&ランチに付き合ってくれてありがとう!!!
応援コメント募集してます!!




