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【大和くんは何をしている時であれば、席に座っていられますか？】
これは私が4歳の頃、初めて公文式に行った時に先生が私の母に尋ねた質問だ。当時の私は大変落ち着きが無く、幼稚園の入園式では席に座らず一人だけ校庭へ出て遊んでいたらしい。音楽教室の発表会では他の子ども達並んで歌う中、一人舞台の袖から袖へ駆け抜けたらしい。そのような幼少期だったので、勉強を学ぶ公文式へ初めて連れて行かれた時も、当然席に座ることが出来ず塾内を歩き回っていたらしい。正直全く記憶に無い話なのだが、今考えてもとても恥ずかしいし、親や関係者には本当に謝りたくなる。
そのような私を見て公文式の先生はこう尋ねた。「大和くんは何をしてる時であれば席に座っていられますか？」まずは心から好きなことと向き合いながら席に座ることに慣れてみては？という提案だった。母は「絵を描くことが好きなので、お絵描きであれば。」と答えた。それからの私は公文式に毎週きっちり通いながら、ただ自由に絵だけ描いて帰る繰り返し。公文式では他の子ども達が自分が学んだことを発表する場が毎年あり、それぞれ算数や英語の発表をする中、私一人クリスマスの絵を堂々と発表したらしい。想像するだけでもゾッとする話だ。そして先生は「大和くんは本当に絵が上手いね！」と何度も私を褒めてくれたそうだ。
その日々を繰り返すこと数ヶ月、塾に居ることに慣れ、席に座ることに慣れ、いつのまにか絵を描く為の画用紙は、算数の問題用紙に変わっていたというのだ。それから勉強にもみるみる打ち込み、学校でも良い成績を取れるようになった。おそらく先生は「大和くんは本当に計算が得意だね！」と何度も褒めてくれたのだろう。
頑張って成果が出れば褒めてもらえる。だから頑張る。その好循環を身につけさせてもらえたお陰で、勉強も部活も遊びも何でも頑張る「頑張り屋さん」に私はなれた。先生の英断と、それを受け入れ耐えた親の忍耐力には頭が上がらない。だから頑張ることが私の恩返し。さぁ、今日は何を頑張ろう。
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