本日2025年12月3日(水)は議員としての勉強のために議会・委員会の現地傍聴へ。
福山市(現職議員になる前)、府中市、笠岡市、三原市、竹原市、東広島市、広島市、沖縄県に続き、9自治体目の尾道市へ行ってまいりました。
以下、違いや学べたことを羅列いたします。(個人としての所感も含みます)
① 持ち時間の扱いが異なる
まず、会派の持ち時間は「会派の構成人数で(おおよそ)比例して決まる」という点は、福山市議会も尾道市議会も同様です。
ただし、その時間の扱いに大きな違いがあります。
福山市議会では、会派に割り当てられた時間を事前に登壇する議員で配分し、それぞれが自分の持ち時間の中で質疑に臨みます。
例えば私が所属する「誠友会(7名)」という会派では、会派として225分の持ち時間があり、今回は登壇する小畠議員(50分)、田口議員(50分)、貝原議員(50分)、大村議員(30分)、能宗議員(45分)の5名で分配します。
一方、尾道市議会は会派全体の持ち時間が議場に表示され、同じ会派の議員が順番に登壇していく方式です。
そのため、予定より長く話せば同僚議員の時間を圧迫し、短く終われば余らせてしまうという構造で、後続者への配慮も求められるなと感じました。
また、持ち時間のカウント方法も異なります。
福山市議会では 質問時間に加え、行政の答弁時間も「議員の持ち時間」として扱われます。
尾道市議会は 「議員が話した時間」のみをカウントします。
前者は時間管理が明確で、議会運営としては効率的です。
後者は議員の発言量を正確に反映するため、全国的には「こちらのほうがフェア」と感じる自治体のほうが多い印象です。
さらに尾道市議会では、休憩開始時刻に過度にこだわらず、会派単位での質疑が一区切りつくまで続行する運営方式でした。
実際、12月4日は一般質問が12時9分まで伸び、その後13時15分から午後の部が再開されていました。
② 一問一答の進め方が異なる
福山市議会は事前に決めた複数のテーマを一括で質問し、その後の再質問(2度目以降の質問)から一問一答に入る流れです。
そのため最初の質問(一質)がおおよそ10分から15分程度要します。
※私は再質問に力を入れたいので、7分程度に抑えております。
一方、尾道市議会はテーマごとに区切りながら一問一答で深掘りしていく方式です。
後者の方が、一つひとつの議論に集中しやすい半面、時間配分に関しては議員の力量が強く問われます。
③ 再質問(ニ質)での姿勢が違う
本日は4名の議員(星野光男議員・新田議員・巻幡議員・宮地議員)を拝見しましたが、再質問が無かった新田議員を除き、いずれの議員も再質問は台本やメモにほとんど頼らず、自分の言葉で議論を組み立てており、非常に見応えがありました。
特に宮地議員は持ち時間約34分程度の中、20分以上を台本なく自分の言葉で演説と質問をされていました。
この姿勢は議員としてかっこいいですし、とても想いが伝わりますね。
④ AI音声システムをテスト導入中
リアルタイムの音声認識システムを導入しており、8〜9割程度のクオリティーで即座に文字起こしがされていました。
こうした取り組みは福山市議会でもぜひ導入したいところですね。
⑤ 写真撮影の許可がスムーズ
写真撮影に関しては議長の許可が必要なケースが多いのですが、尾道市は議会事務局マターですぐに許可をいただくことができました。
⑥尾道市長が長期政権を担っている
これは議会とは少し異なる情報ではありますが、平谷市長は18年目の市長です。
尾道市長選挙 (2007年04月22日) [当選] 得票数:50,117 票
尾道市長選挙 (2011年04月24日) [当選] 得票数:50,662 票
尾道市長選挙 (2015年04月26日) [当選] 得票数:35,425 票
尾道市長選挙 (2019年04月21日) [当選] 得票数:40,735 票
尾道市長選挙 (2023年04月23日) [当選] 得票数:28,717 票
平谷市長からは力強い発言がありました。
広島県知事に横田さんが新しく就任されたことに関して、今後の広島県と尾道市の連携についての質問でした。
「知事が変わると、関係や取り組みも変わってしまうのでしょうか?」という趣旨の質問に対して、平谷市長からは「私はチャンスであると考えています。湯崎知事が16年前に誕生した時も、この度の横田知事が誕生した時もチャンスだと考えます。なぜならば、お二人とも尾道のことを知らない。だからこそ課題をお伝えするチャンスなんです。」
これを台本ではなく、再質問に対するアドリブの答弁をされていた。
とってもかっこいい景色でした。
⑦ 子様連れで傍聴できる個室傍聴席
子ども連れでも気兼ねなく議会を見られるように設けられた「個室傍聴席」です。
通常の傍聴席とは別に、授乳や泣き声などを気にせず利用でき、室内からガラス越しに議場全体をしっかり見渡せます。
議会側の声は天井のスピーカーからしっかり聞こえるのですが、こちらの音はしっかり防音(のはず)
小さなお子さんがいる家庭も議会に参加できるようにする、開かれた議会づくりの象徴的な取り組みで、これはとても羨ましい。
この度も多くの学びがありました。
これからもなんとか時間を捻出し、他自治体の議会・委員会を積極的に訪れ、視野を広げていきたいと思います。
そして、現場で得た気づきを、福山市の議会活動と一般質問にしっかりと活かしていきます。




