2025年11月5日(水)午前10時より、同僚の福山市議会議員3名で、「福山市立 常石ともに学園」を視察させていただきました。
受けた印象は、「学校」というより、小さなコミュニティ。
2022年に福山市常石地区で開校したこの学校は、イエナプラン教育を採用しており、テーマは自立・共生・自己実現。
ルールは驚くほどシンプルで、「自分と相手を大切にすること」。
特に特徴的なのは、異年齢でのクラス編成。
「1〜3年」「4〜6年」と学年を混ぜてグループを組みます。
上級生は下級生に教え、下級生は上級生を真似ながら覚えていく。
自然と「教える・助ける・頼る」が存在しており、この環境は自然とコミュニケーション力を育むと思われます。
この景色を見ていて、ふと小学校時代の「登校班」を思い出しました。
同じ地域に住む1年生から6年生が一緒に集まってワイワイ話しながら登校しましたね。
当時の下級生の子が、大人になってから「あの時、〇〇して遊んだ記憶、めちゃくちゃ覚えてる」と言ってくれることが過去にあり、子どもたちがどれだけ上級生をよく見ていたのか、あとで気づかされましたね。
ちなみに私が小学校4年生のときに、たまたま班に上級生がおらず、小学校の後半3年間はずっと班長を続けるかなりの長期政権でした(笑)
また、学校運営もユニークです。
職員室はフリーアドレスで、席の指定がなく、ITベンチャー企業のよう。
コミュニティースクールの導入に力を入れていることもあり、学校運営協議会の開催はなんと年に6回。
普通の学校は年に3回がほとんどなので、倍の頻度。
子どもたちの体験づくりに深く関わっている地域団体「常石びより」も学校運営協議会に参加しているなど、地域が学校づくりに本気でコミットしていることが伝わります。
児童会のエピソードも印象的でした。
まず、児童会の会長選挙に9名も立候補。
各学年24名程度の学校規模で考えると、候補者数の多さは圧倒的ですね。
そして、福山市では見たことがない規模の立候補者討論会と、活発に繰り広げられる候補者同士のクロストーク(笑)
また、その後の児童会でもこんな話題がありました。
「朝休憩にゲームをしている時間ってもったいなくない?」
朝からゲームに没頭しちゃう子どもがいることを課題に感じ、子どもたちだけで議論し、朝休憩ではゲームをやめる決断を下したという。
教師の指示ではなく、自分たちの意思で決めたルール。
それ以来、朝休憩でゲームをする子どもは皆無なんですと。
「治の力〜私たちは、私たちを、私たちのために、治める」
強い自立性を感じるエピソードでした。
子どもたちへの教育は、成果が見えるまで10年、20年とかかる取り組みです。
そもそも、成果をどの物差しで測るのか?という問題もあります。
それでも、目の前で子どもたちが、生き生きと自分の意思で学びに向き合っている姿がありました。
そして、この学校に通わせたいという理由で、家族ごと移住してこられた方がいることも事実。
私自身ももっと学び、この挑戦をしっかり応援できるよう、引き続き取り組んでいきます。
甲斐校長先生をはじめ、先生方、生徒の皆さんに温かく迎えていただき、本当にありがとうございました!






